【KMAPによる飛行特性解析について】

●飛行機の設計解析を実施するには,解析に用いる下記データを準備する必要がありますが
 KMAPはこれらのデータを自動的に推算します

  @飛行機に働く空気力のデータ
   空力データには,静安定と動安定,それに舵面作動のデータがあります.
   
     静安定空力 :揚力,抗力,横滑り力,ピッチングモーメント,
            ローリングモーメント,ヨーイングモーメント
     動安定空力 :ピッチダンピング,ロールダンピング,ヨーダンピング
     舵面作動空力:エレベータ効き,エレベータ揚力,エルロン効き,ラダー効き
            フラップ揚力,エルロンによるヨーイングモーメント,
            ラダーによるローリングモーメント

   これらの空力データは,開発設計がある程度進むと,模型を用いた風洞試験によって
   データ取得が行われます.最近はCFDによる空力データ推算も行われますが,上記の
   全てのデータが得られるわけではありません.

   開発設計の初期ではDATCOMを用いて空力データの推算が行われます.DATCOMは,米空軍
   が膨大な風洞試験や実機飛行試験の結果に基づいて統計データとして整理したものです.
   KMAPは,このDATCOMを用いて空力データの推算を自動的に行います.

  A飛行機の重量,慣性モーメント等の機体諸元データ
   飛行機の運動を検討するには,並進運動と回転運動の検討に必要な機体諸元データ
   が必要になります.
   KMAPは,これら計算に必要な機体諸元データを自動的に推算します.


●飛行特性解析は,安定性・操縦性の解析といわれ,以下に示す広範囲な解析が必要です

 安定性・操縦性の解析とは,飛行機の尾翼の設計に対応します.回転運動を伴う6自由度の
運動方程式を解く必要がありますので,これまでは時間のかかる作業でした.KMAPを用いると,
安定性・操縦性の解析を行い,設計基準を満足するかどうかを表示できます.

 具体的には,以下のような解析を行います.

 飛行機の飛行特性解析; 縦系の飛行特性解析について 

  【縦系の飛行特性(安定性・操縦性)解析】 (機体固有)

     @長周期モードの減衰比と振動数
     A速度安定の条件
     B飛行経路安定
     C短周期モードの減衰比と振動数
     D短周期モードのωsp・Tθ2
     E短周期モードの加速感度n/α
     F短周期モードのCAP (Control Anticipation Parameter)
     G縦静安定と重心後方限界
     HCAPによる重心後方限界
     I離陸引き起こしと重心前方限界
     J転覆角と重心後方限界
     K重心許容範囲と 主脚位置

 飛行機の飛行特性解析; 横・方向系の飛行特性解析について 

  【横・方向系の飛行特性(安定性・操縦性)解析】 (機体固有)

   @ダッチロールモードの減衰比と振動数
    Aダッチロールの|φ/β|とζd・ωnd
    Bロールモードの時定数TR
    Cスパイラルモードの振幅倍増時間T2
    Dエルロン操舵時のロール角速度振動
    Eロール性能
    F定常横滑り能力

 ここに示した飛行特性解析は機体固有の場合ですが,制御系含みの場合についても解析
可能です.特に,制御系を含んだ場合の飛行特性解析はこれまで難しい領域でしたが,KMAP
では自動的にシミュレーション計算等を行うことにより解析を可能にしました.


●KMAP(ケーマップ)の最新バージョンは下記からダウンロードすることができます

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